この記事の内容は、YouTubeとPodcastでも詳しく解説しています!
YouTube: https://www.youtube.com/@3dbox203
Podcast: https://open.spotify.com/show/7FvjC906Pe3lP1qWgKlpKO?si=ABnNL5IJTO2XQlZFIE_hxg
—
はじめに:サポート除去、痛くないですか?
3Dプリンターを使っていて、サポート材を剥がす時に指にフィラメントが刺さった経験、ありませんか?

あの細かいトゲトゲが爪の間に入る瞬間。
ニッパーでグリグリやってたら、勢い余ってモデル本体まで傷つけた時の絶望感。
実はこれ、設定を見直すだけで改善できることが多いんです。
Bambu Studioの初期設定がそのままになっているだけかもしれません。
今日は、サポート材の設定を見直して、除去作業をもっと楽にする方法を探っていきます。
—
Gridサポートの仕組み:「矩形拡張」とは
Bambu Studioでサポートを有効にすると、スタイルに「Grid」がデフォルトで選択されています。
Gridの動作原理
Gridは、空中に出っ張った部分(オーバーハング)を検出すると、その形に関係なく「四角いブロック」で埋めます。これを「矩形拡張」と呼びます。

例えば、ドラゴンのフィギュアをプリントする場合:
– 尻尾が空中に浮いている
– Gridは尻尾の真下だけでなく、尻尾を含む四角い範囲全体にサポートを生成
私はこれを勝手に「マミー効果」と呼んでいます(公式用語ではありません)。
モデルがサポート材のミイラに包まれてしまうような状態になることがあるためです。

なぜGridがデフォルトなのか?
理由は「安定性」。
Gridの利点:
– 格子状の交差構造で頑丈
– プリント中にノズルがぶつかっても倒れにくい
– 長時間プリントでも安定することが多い
メーカーとしては「まず成功させる」が優先なので、この設定になっています。
—
Snugサポートとは:形状に沿うもう一つの選択肢
「Snug(スナッグ)」は「ぴったりフィット」という意味の英語です。
GridとSnugの違い

わかりやすく例えると:
– Grid = ダボダボのジャージ
– Snug = スキニーデニム
Grid:
– 形状追従性: 低い(四角く拡張)
– サポート体積: 多くなる傾向
– 安定性: 高い
Snug:
– 形状追従性: 高い(形に沿う)
– サポート体積: 少なくなる傾向
– 安定性: やや低い(対策可能)
Snugは空中に出っ張った部分の「影だけ」を支えるイメージです。
モデルの形にぴったり沿ったサポートが生成されます。

—
剥がれやすさの本質:スタイルだけでは決まらない
ここが最も重要なポイントです。
Snugに変えただけで、サポートがパカッと外れるようになるわけではありません。
剥がれやすさを決める本当の要因

サポートの剥がれやすさを決めているのは、実は「スタイル」ではなく:
1. **Top Z Distance(上部Z距離)**
サポートの上面とモデルの底面の間の隙間。狭すぎるとくっつき、広すぎると底面がガタガタに。
2. **インターフェース設定**
サポートの一番上の層のパターンや密度。ここを調整することで剥がれやすさが変わります。
つまり…
– Snugに変える → 「形状効率」の改善(体積削減、壁との距離確保)
– 剥がれやすさを改善 → Z距離やインターフェースも一緒に見直す
両方をセットで考えることが大切です。

—
Snugの弱点と対策
正直に言うと、Snugにも弱点があります。
細い塔のようなサポートができると、プリント中に倒れることがあります。
Gridほど安定性がないケースもあるんです。
対策

1. **サポートウォールループ**
設定値を「1」か「2」に。サポートの外側に壁ができて安定しやすくなります。
2. **サポートブリム**
ビルドプレートへの定着を強化。5mm程度を目安に。
—
設定方法と参考値
ステップ1:スタイルを変更

Bambu Studioの右パネル → サポート → 「スタイル」を「Snug」に変更
※「タイプ」ではなく「スタイル」です!
ステップ2:参考設定(あくまで出発点として)
以下は私が使っている目安です。モデルやフィラメントによって調整してください:
– **Style**: Snug
– **水平間隔**: 0.5mm程度(壁との距離を確保)
– **Top Z Distance**: 0.2mm程度(剥がしやすさと底面品質のバランス)
– **サポートウォールループ**: 1(安定性向上)
これらは「絶対の正解」ではなく、自分の環境で試す出発点として参考にしてください。
—
まずはスライスして比較してみよう
一番のおすすめは、同じモデルでGridとSnugの両方をスライスしてみること。

スライス結果を見比べると:
– サポートの体積がどう変わるか
– サポートの形状がどう違うか
が一目でわかります。
そして実際にプリントして剥がしてみる。
この「試す → 調整する」のサイクルが、最適な設定を見つける近道です。
—
まとめ

– Grid = 安定性重視、矩形拡張で頑丈
– Snug = 形状効率重視、モデルに沿った形状
どちらが「正解」というわけではなく、モデルや用途に合わせて選ぶのがベストです。
そして、剥がれやすさを本当に改善したいなら:
– スタイルだけでなく「Z距離」と「インターフェース」も見直す
– 数値は目安として、自分の環境で検証する
まずは小さいモデルで試して、自分のプリンターに合った設定を探ってみてください。
—
関連コンテンツ
この記事の内容をもっと詳しく知りたい方は、動画もご覧ください!



コメント