仕上げの極意・後編 ― 糸引きとフローを極める

3Dプリント実用・DIY

シリーズ: Bambu Studioスライサー設定 完全攻略 第4回(全4回・最終回)

推定読了時間: 約12分

文字数: 約4,800文字


👇 音声でも解説しています

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「糸引きが取れない😩」「表面がガタつく…」という経験はありませんか?

今回は、糸引き対策とフローキャリブレーションについて解説します!特にPETGの糸引きは「リトラクション不足」だけが原因ではありません🧵


🧵 糸引きの基礎知識

糸引きとは?

ノズルが移動する時に、溶けたフィラメントが糸のように伸びる現象です。これを防ぐのが「引き戻し」(リトラクション)設定ですね💡

ダイレクトドライブの特性

Bambu Labのプリンターは「全機種ダイレクトドライブ方式」です!

① ダイレクトドライブ → リトラクション距離は「0.4〜1.2mm程度」

② ボーデン式 → 3〜6mm必要

ダイレクトドライブはエクストルーダーモーターがノズル直上にあるため、フィラメントの制御応答性が高いんです。だから短い距離で十分!✨

⚠️ 過剰リトラクションの危険

引き戻しすぎは逆効果です!

2mm以上に設定すると、溶けたフィラメントが冷却ゾーンまで引き上げられて固まり、「詰まりの原因」になります😱


🔧 素材別リトラクション設定

PLA / ABS / ASA

比較的簡単な素材です😊

  • デフォルト(0.8mm、30mm/s)でOK
  • 糸引き時は +0.1〜0.2mm刻みで増加(最大1.2mm)
  • 温度を5℃下げるのも効果的!

PETG(最難関)🔥

PETGは粘度が高くて、しかも吸湿しやすい。糸引きが発生しやすい「最難関」素材です💦

PETGの糸引きの真犯人は?

実は、PETGの糸引きの真犯人は「吸湿」なんです!💧

PETGは空気中の水分を吸います。その状態で加熱すると、内部で水分が気化して蒸気圧でフィラメントを押し出してしまう。

これ、リトラクションでは防げません!

PETG対策の優先順位📋

① 【最優先】フィラメント乾燥 → 65℃で8時間以上。まずはコレ!

② 温度を下げる → 255℃ → 245℃

③ リトラクション速度を落とす → 30mm/s → 25mm/s

④ リトラクション距離を上げる → これは最後の手段

TPU(特殊)🤸

TPUはゴムのように弾性があるため、引き戻すと「伸びる」だけでノズル先端の圧力が下がりません。

TPUの設定

  • リトラクションは「OFF(0mm)」または0.4mm以下
  • 「ウォールの交差を回避」(Avoid Crossing Walls)をON
  • 「最大体積速度」を 2〜3mm³/s に制限

✨ 補助機能

リトラクション時に拭き上げ (Wipe)

リトラクションと同時にノズルを横に振って、先端の余分な樹脂を擦り付ける機能です!

リトラク時のZホップ (Spiral Z Hop)

ノズルを螺旋状に持ち上げる機能です。通常のZホップより「切れ」が良くなって、糸引きを減らせます🌀


📊 流量比の調整

流量比とは?

まず大事なポイント💡

  • 「流量」は → 量の調整
  • 「最大体積速度」は → スピードの上限
  • 「圧力補正」は → 内部制御

それぞれ役割が違うんです!

流量比は、スライサーが計算した理論上の吐出体積に対する補正係数です。

  • 1.0 → 100%(理論値通り)
  • 0.95 → 5%少なく押し出す

Bambu Lab純正フィラメントは精度が高いので、デフォルトの0.98〜1.0で最適化されています。

でも、サードパーティ製フィラメントや、吸湿して直径が変わったフィラメントは、個別調整が必要です🔧


🎯 キャリブレーション方法

自動流量キャリブレーション(X1/X1C)

LiDARセンサーを使ってテストパターンをスキャンし、最適値を自動で出力してくれます。便利!✨

ただし、弱点もあります⚠️

  • 透明素材
  • 高光沢なシルク素材
  • 凹凸のあるテクスチャプレート

これら「光が安定して反射しない条件」では、計測精度が落ちることがあるんですよね🤔

そういう場合や、P1・A1シリーズなどLiDAR非搭載機では、手動で流量比を調整していきます。

手動での流量比調整(全機種)

フィラメント設定の「流量比」を変更して、テストプリントを繰り返します。

まず広めに値を動かして傾向をつかみます。たとえば0.92、0.96、1.00のように大きく振って、「多すぎ」と「少なすぎ」の境目を見つけましょう🔍

次に、良さそうな値の周辺を1〜2%刻みで細かく詰めていきます。

判定のコツ👆

  • 指でなぞってザラつきがないこと
  • 光にかざしてライン間の溝が見えないこと

⚙️ 圧力補正(PA)について

PAとは?

流量比が「量」の調整なら、PAは「タイミング」の調整です!

ノズル内の樹脂には圧力応答の遅れがあります。

  • 加速時 → 吐出が遅れる
  • 減速時 → 余剰圧で漏れる

PAはこの遅れを予測して、先読みで調整する機能です。

基本は内部制御🤖

Bambu Studioでは、圧力補正は基本的に「内部制御」されていて、ユーザーが数値を直接いじる項目はありません。

「流量ダイナミクス」のキャリブレーションを行うことで、自動的にプロファイルに保存されます。数値入力は不要です!


🎯 設定の役割分担まとめ

「どれを調整すれば何が変わるの?」をスッキリ整理:

① 最大体積速度 → 「キャップを決める」(どこまで速く溶かせるかの上限)

② 流量比 → 「全体の量を合わせる」(フィラメント径の誤差を吸収)

③ リトラクション → 「糸引きを抑える」(移動中の漏れを防ぐ)

圧力補正 → 機械任せでOK🤖

この役割分担を覚えるだけで、何を調整すべきかに迷わなくなります。


📝 まとめ

① 【PETGの糸引き】「乾燥」が最優先!リトラクションより先にフィラメントを乾かす

② 【TPU】リトラクションは「OFF」。代わりに「ウォールの交差を回避」と低速で対応

③ 【流量】「手動で流量比を調整」して追い込む。特にサードパーティ製は必須!


🏁 シリーズ総括

「スライサー設定 完全攻略」シリーズ全4回が終了です!🎉

① 第1回「基礎」→ 積層ピッチ・壁・インフィル

② 第2回「速度と温度」→ 三角形の関係(1つ変えたら他も調整)

③ 第3回「定着と継ぎ目」→ マウス耳型ブリム・スカーフ継ぎ目

④ 第4回「糸引きと流量」→ リトラクション・キャリブレーション

これで「プリセットの中身が読める」「自分で調整できる」レベルになったはずです💪

プリセットは優秀ですが、万能ではありません。素材が変わったり、季節が変わったり、求める品質が変わったりしたとき、自分で調整できる力が必要です!


✅ 今日やること

① PETGで糸引きが出たら、まず乾燥!リトラクションより先にフィラメントを乾かす

② サードパーティ製フィラメントを使うなら、手動で流量比を調整してみる

③ 前回のマウス耳型ブリムとスカーフ継ぎ目、今回の糸引き対策、全部組み合わせて「後加工ゼロ」を目指す!🚀


数値まとめ

  • ダイレクトドライブリトラクション → 0.4-1.2mm程度
  • PETG乾燥 → 65℃・8時間
  • TPU最大体積速度 → 2-3mm³/s
  • 流量比の手動調整 → まず広く値を振って傾向把握、良い値の周辺を1-2%刻みで微調整

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📝 ブログ記事も書いてます

https://mardna810.com/


参照ファイル:

  • 03_podcast_script_part2.md
  • 05_image_prompts.md(後編: Slide 101〜124)

画像挿入マップ(編集用メモ)

Slide番号とファイル名の対応(後編: Slide 101〜124 = Scene/001〜024)

| ブログのセクション | ファイル名 | Slide番号 | 内容 |

|—————-|———–|———-|——|

| 冒頭フック直後 | Scene/002.jpg | Slide 102 | 体験談 ─ 糸引きと表面の悩み |

| 糸引きの基礎 | Scene/005.jpg | Slide 105 | 糸引きの基礎 ─ ストリンギング現象 |

| ダイレクトドライブ | Scene/006.jpg | Slide 106 | ダイレクトドライブの特性と適正距離 |

| 過剰リトラクション | Scene/007.jpg | Slide 107 | 過剰リトラクションの危険 |

| PLA/ABS/ASA | Scene/008.jpg | Slide 108 | 硬質素材の設定 |

| PETGは最難関 | Scene/009.jpg | Slide 109 | PETG最難関素材 |

| PETGの真犯人 | Scene/010.jpg | Slide 110 | 吸湿→蒸気圧のメカニズム |

| PETG対策優先順位 | Scene/011.jpg | Slide 111 | 乾燥→温度→速度の順 |

| TPUの特殊性 | Scene/012.jpg | Slide 112 | TPUはリトラクションOFF |

| TPUの代替策 | Scene/013.jpg | Slide 113 | ウォール交差回避+低速 |

| 補助機能 | Scene/014.jpg | Slide 114 | ワイプ+スパイラルZホップ |

| 流量比とは | Scene/015.jpg | Slide 115 | 吐出量の補正係数 |

| 自動キャリブ | Scene/016.jpg | Slide 116 | LiDARの弱点と手動の利点 |

| 手動流量調整 | Scene/0017.jpg | Slide 117 | 2段階調整+判定のコツ(4桁名) |

| 圧力補正(PA) | Scene/0018.jpg | Slide 118 | 圧力補正は機械任せ(4桁名) |

| 役割分担まとめ | Scene/0019.jpg | Slide 119 | 3つの役割分担(4桁名) |

| まとめ3点 | Scene/020.jpg | Slide 120 | 後編まとめカード |

| シリーズ総括① | Scene/021.jpg | Slide 121 | 全4回タイムライン |

| プリセット脱却 | Scene/022.jpg | Slide 122 | 自分で調整できる力 |

| CTA今日やること | Scene/023.jpg | Slide 123 | 3つのアクション |

合計: 19枚使用

未使用: Scene/001.jpg(Slide 101 オープニング), Scene/003.jpg(Slide 103), Scene/004.jpg(Slide 104), Scene/024.jpg(Slide 124 クロージング)

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