【Bambu Lab × Scanology】3Dスキャナー参入?期待と現実を現場目線で解説

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こんにちは、まーです。

こんな悩み、ありませんか?

  • 壊れた部品を複製したいけど、どこにもデータがない…
  • 子供が作った粘土細工を3Dデータで残したいけど、CADで再現するのは無理…
  • フィギュアをちょっと改造したいけど、元のモデルデータがない…

わかります。

3Dプリンターは手に入れた。でも「データをどう作るか」という壁がずっと立ちはだかっている。
特に有機的な形状(人の顔、動物、曲線が多いもの)はCADで再現するのがめちゃくちゃ大変ですよね。

そんな中、2026年1月末、思看科技(Scantech)が公告で、深圳拓竹科技有限公司(Bambu Lab側の法人)と“消費者向け3Dスキャナーの共同設計・開発”に関する枠組み契約を締結したと発表しました。

ただ、現場で実際に3Dスキャナーを使っている身としては、「過度な期待は禁物」とも思っています。
今日は、このニュースの内容と、3Dスキャナーの「できること」と「できないこと」を正直にお伝えします。


僕がBambu Labに期待してしまう理由

本題に入る前に、なぜ僕がBambu Labの動向に注目しているのか、少しだけ話させてください。

2年ほど前、Bambu LabのP1Sを初めて使ったとき、本当に衝撃を受けました。
エンクロージャー付きで、高速で、安定した印刷品質。これ、数年前だったら50万円くらいする業務用機でないと再現できなかったレベルなんです。

それが10万円台で買える。しかも設定もほとんど必要なく、箱から出してすぐ使える。

X1 Carbon、P1S、A1、H2D…Bambu Labが出す製品は、どれも「この価格でこの性能?」という驚きがあります。
3Dプリンター業界の常識を何度も塗り替えてきた会社なので、スキャナーでも同じことをやってくれるんじゃないかと、どうしても期待してしまうんですよね。


ただし、スキャナーに関しては話が別

ここでは正直に言っておきたいことがあります。

3Dスキャナーって、過去に何度も「すごいのが出た!」と話題になってきました。
「これで誰でも簡単に3Dスキャンできる!」「革命的な製品だ!」と。

で、実際に使ってみると…正直、大したことないことが多いんです。
僕も何度か期待して買ったり試したりしましたが、「うーん、思ってたのと違う」となることがほとんどでした。

だから、今回のニュースも「期待はしているけど、過度な期待はしない」というスタンスでいます。
Bambu Labだから大丈夫、とは限らない。

実際に製品が出て、自分で触ってみるまでは判断を保留するつもりです。


そもそも3Dスキャナーって何?

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まず基本から整理しましょう。

3Dプリンターは、デジタルデータを元に立体物を「作る」機械です。
逆に3Dスキャナーは、実際にある立体物をデジタルデータに「変換する」機械です。

身近な例で言うと、紙のコピー機を想像してください。紙に印刷するのがプリンター、紙の内容を読み取るのがスキャナー。これの立体物バージョンです。

3Dスキャナーは、レーザーや光を対象物に当てて、その反射を複数のカメラで捉えます。対象物の表面に何万、何十万という「点」のデータを取得して、それをつなぎ合わせて立体の形にするイメージですね。

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点の数が多ければ多いほど、細かい形状まで再現できます。


パートナーシップの中身

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今回の提携の内容を整理しましょう。

Bambu Labといえば、X1 CarbonやP1Sで3Dプリンター業界に革命を起こした会社ですよね。
一方の 思看科技(Scantech) は、産業用3Dスキャナーで10年以上の実績を持つ会社です。2025年に上海証券取引所(STAR Market)に上場したばかりの実力派で、「SCANOLOGY」などの工業用ブランドを展開しています。

公告によると、提携の骨子は以下の通りです。

① 思看科技(Scantech) が設計・製造を担当し、拓竹科技に納入
② 拓竹科技(Bambu Lab) が消費者向けに販売(推測)
③ 消費者向け3Dスキャナーを共同開発する「枠組み契約」

ただし注意点があります。
これは「枠組み協定(フレームワーク契約)」の段階です。具体的な発注数や金額は未定(公告に記載なし)で、まさに「一緒に作りましょう」と握手したばかりの状態なんですね。

なぜBambu Labは自社開発ではなく提携を選んだのか?

実はBambu Labは2024年にMakerLabで「AI Scanner」機能を実験的に導入していました。スマホの動画から3Dモデルを生成する機能ですが、サーバー混雑時には処理に時間がかかり、ディテールも粗くなることがありました。Bambu Lab自身も「未成熟なプロトタイプ」と認めていました。

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また、H2Dにも3D計測機能がありますが、これは主に「曲面へのレーザー加工を助けるためのメッシュ生成」が主眼であり、いわゆる「3Dスキャンによる複製」とは用途が少し異なります。

つまり、自社だけでは限界があった。だから工業用スキャナーの技術を持つ思看科技側と組んだわけです。


Scanologyの技術力

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Scanologyなどのブランドを持つ思看科技の工業用スキャナー(例: SIMSCAN-E)のスペックを見てみましょう。

  • 工業用途のハイスペック機
  • 精度: 0.02mm級
  • スキャン速度: 毎秒数百万点クラス
  • サイズ: 約20×8×4cm(手のひらサイズ)
  • 重量: 約600g
  • ワイヤレス対応(Wi-Fi + バッテリー駆動)

精度0.02mmがどれくらいすごいかというと、髪の毛1本の太さが0.05〜0.1mm。つまり髪の毛の半分以下の誤差でスキャンできるということです。

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もちろん、家庭用にはここまでの性能は必要ないでしょうし、価格とのバランスでスペックダウンすると思います。
それでも、家庭用で0.05〜0.1mm程度の精度は狙えるんじゃないかと言われています。


予想価格と競合製品

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現行の家庭用スキャナーの価格帯を見てみましょう。

  • CrealityのCR-Ferret: 約4〜5万円、精度はそこそこ
  • Revopoint POP 3: 約10〜12万円、精度約0.1mm
  • Shining 3D Einstar: 約10〜18万円、フルカラー対応

Bambu製スキャナーの予想価格は7〜12万円くらいになるんじゃないかと思います。

根拠としては、Bambu X1Cプリンターが約15万円なので、それより高くはしないだろうという見立てです。
Bambu Labの強みは「手頃な価格で高性能」。iPhoneより安く、業務用に近い性能という「プロシューマー」向けのポジションを狙ってくるはずです。

発売時期は、早くても2026年後半から2026年になりそうです。


現場から見た3Dスキャナーの「現実」

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さて、ここからは正直な話をさせてください。
僕は会社で受託造形の仕事をしているので、「実物しかないから3Dスキャンして複製してほしい」という依頼が結構あります。

で、実際にRevopointやEinstarを使ってスキャンするんですが…正直に言うと、現状の3Dスキャナーって万能じゃないんです。

スキャンできないものが結構ある

  • 黒いもの → レーザーを吸収するのでうまく取れない
  • 透明なもの、ガラス → 光が透過してしまう
  • メッキや金属などピカピカしたもの → 光が乱反射して精度が出ない
  • 髪の毛みたいな細いもの → 形状を捉えられない

「専用スプレーを吹けばできますよ」「マーカーを貼ればできますよ」と言われることもありますが、実際やってみると結構手間がかかります。
スプレーの跡がデータに残っちゃったり、マーカーの位置合わせが難しかったり。

「ピッとかざせば一瞬でスキャン完了」というイメージを持っている方が多いですが、実際はそんなに簡単じゃないんです。

データ形式の問題(これが一番大事)

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スキャンしたデータはSTL形式になります。
STLは表面のメッシュデータです。3D CGソフト(BlenderやZBrushなど)では触れるんですが、CADソフトでは基本的に触れません。

つまり「ここの寸法を1mm伸ばしたい」「穴の位置をずらしたい」みたいな細かい調整が苦手なんです。
STLはメッシュデータ(点の集まり)なので、一般的なCADソフトが得意とする「パラメトリック編集」(数値をいじって寸法を変えるなど)ができません。

結局どうなるかというと、スキャンデータをガイドにしてCADで「描き直す(リバースエンジニアリング)」か、スカルプトソフトで粘土のように加工する工程が必要になりがちです。

「スキャンすれば一発でデータ化できる」「スキャンして即プリント」と思われがちなんですが、実際は後処理の作業が発生することが多いんですよね。
穴が開いていたり、ノイズが入っていたり、そのままでは使えないデータになることがほとんどです。

高いスキャナーなら解決する?

数百万円クラスでもCADで直接触れるデータにするのは難しかったりします。
キーエンスの1000万円以上のクラスならSTEP形式に変換できるらしいんですが、使ったことがないので正直分かりません。

僕らが使っている数万〜数十万円クラスだと、「スキャンして即プリント」はなかなか難しいのが現実です。


それでも期待したいこと

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散々厳しいことを書きましたが、それでもBambu Labには期待している部分があります。

① ソフトウェアの使いやすさ

過去の家庭用スキャナーが流行らなかった理由の一つに、ソフトの使いにくさがあります。
スキャン後のデータ修正、穴埋め、ノイズ除去…この辺りをAIで自動化してくれたら、かなりハードルが下がります。
Bambu Labはハードウェア会社というよりソフトウェア会社。Bambu Studioの完成度を見れば分かるように、ユーザー体験の設計が本当にうまい。

② Bambu Studioとの連携

「スキャン→修正→スライス→プリント」が一気通貫でできたら最高ですね。
スキャンしたデータがそのままBambu Studioに送られて、AIが自動で穴埋めやノイズ除去をして、スライスしてプリント。
この「ワンクリック体験」を実現できるかどうかが、Bambu Labの真価が問われるところだと思います。

③ 価格と性能のバランス

プリンターで見せてくれた「この価格でこの性能?」という驚きを、スキャナーでも見せてくれることを期待しています。

ただ、繰り返しになりますが、「黒いものが撮れない」「STLしか出せない」みたいな根本的な問題がどこまで解決されるかは未知数です。

魔法の道具じゃないので、過度な期待はしすぎず、出てきた製品を見て判断するのがいいと思います。

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まとめ

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Bambu Lab × Scanologyの提携について、ポイントを整理します。

① 3Dスキャナーは実物をデータ化する機械。CADが使えなくても「複製」ができる可能性が広がる
② ただし現状のスキャナーは万能じゃない。黒いもの、光るもの、透明なもの、細いものは苦手。データ形式の問題もある
③ Bambu Lab自身も過去にAI Scannerを試したが、自社だけでは限界があった
④ だから工業用スキャナーの技術を持つScanologyと組んだ
⑤ 予想価格は7〜12万円くらい。発売は2026年後半〜2027年か
⑥ Bambu Labはプリンターで業界の常識を覆してきた。スキャナーでも期待したい
⑦ ただし、スキャナーは過去に何度も「すごい」と言われて期待外れだった歴史がある。過度な期待は禁物


今日からできる準備

① 今あるスキャナー(Revopointなど)のレビューを見て「できないこと」を把握しておく
② Bambu Studioを最新版にアップデートして待機
③ Polycamなどの3Dスキャンアプリで「スキャンデータとは何か」を体験しておく
④ 貯金を開始する(目標10万円)

続報が入り次第、またお伝えしますね!

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コメントで教えてください。あなたは3Dスキャナーで何をスキャンしてみたいですか?

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