生成AI時代にあえて問う。宮崎駿の「めんどくせぇ」こそが、人間最後の聖域かもしれない

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テレビのドキュメンタリー番組で、そのシーンを見たときの衝撃を今でも覚えています📺

白いあご髭を蓄えたエプロン姿の老人が、机に向かってうずくまるように鉛筆を動かしている。日本が世界に誇るアニメーション映画監督、宮崎駿さんです。

彼は、美しい森の風景や、躍動するキャラクターを描きながら、口の中でブツブツと何かをつぶやいています。魔法の呪文でも、高尚な芸術論でもありません。繰り返されていた言葉、それは――。

「あぁ、めんどくせぇ」
「めんどくせぇなぁ……」

ただのぼやきではありません。頭をかきむしり、貧乏ゆすりをし、苦しそうな表情を浮かべながらも、それでも手は止まらないんです。そして、たしかこんな趣旨のことも言っていました。

「大事なことは、たいてい面倒くさいんだよ」

この一言は、たくさんのクリエイターやビジネスパーソンに勇気を与えてきました。「あの天才でさえ、仕事は面倒なんだ」という、ちょっとした安心感と一緒に。

でも、2025年の私たちにとっては、また別の意味を帯びて聞こえてきます。なぜなら、今の私たちには、「めんどくさい」をびっくりするほど軽くしてくれるツールが手元にあるからです。それが、生成AIです🤖✨

ChatGPT、Claude、Gemini。
私自身、これらのAIツールに課金して毎日使い倒しています。正直、AIなしで仕事をすることはもう考えられません。

それでも、ときどきふと考えるのです。

「AIで“面倒”を減らし続けた先に、何が残るんだろう?」と。

今回は、宮崎駿さんの「めんどくせぇ」という言葉を入り口にしながら、生成AI時代にあえて向き合いたい「人間がやる意味のあるめんどくささ」について考えてみたいと思います。

AIという「めんどくさい」の消しゴム✏️➡️🧽

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まず白状します。私は「めんどくさいこと」が大嫌いです(笑)。

メール返信、議事録の要約、企画書づくり、デバッグ……。
こういう作業、これまでどれだけ時間を持っていかれたか分かりません。

でも今は、

「この資料まとめておいて」
「来週のスケジュール案、ざっくり作って」

とAIに頼むだけで、文句も言わず、疲れもしないまま、数秒で成果物を返してくれます。
いや本当に便利すぎます…!😇

効率化、生産性、タイムパフォーマンス。
これらは現代の「正義」みたいなものです。

そんな基準で見ると、宮崎駿さんのやり方はびっくりするほど逆方向です。

CGなら一瞬で複製できる群衆を、一人ひとり手で描く。
物理演算で再現できる波の動きを、鉛筆で描く。
AIエンジニアが見たら、

「どうして自動化しないんですか?」

と聞きたくなるでしょう。

でも不思議なことに、AIで作った画像や文章を見て「すごい!」とは思っても、「うわ…涙出そう…」とまで感情が動くことって、まだそこまで多くありません。

なぜでしょうか?🤔

その理由の一つは、
AIは“めんどくさがっていない”
という点にある気がします。

「葛藤」というノイズが、作品に命を吹き込む🔥

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AIは膨大なデータをもとに、「もっともそれらしい答え」を計算して出してくれます。内部では数多くの候補を機械的に試しながら一案を選んでいますが、そこに「迷う自分」や「葛藤」はありません。

一方で、宮崎駿さんの「めんどくさい」の正体は何か。

そこには、濃厚な「葛藤」があります。

「この動き、本当に感情が伝わるだろうか?」
「語尾は“だよ”か? それとも“だね”か?」
「この光の角度…もっと柔らかくしたほうがいい?」

こうして行ったり来たりしながら絞り出される一手一手が、作品に命を吹き込んでいくんだと思います。

悩んだ線には、描いた人の体温や、その日の気分まで染み込んでいます。
機械的な最短距離では生まれない“ゆらぎ”があるんです。

私たちが作品を見たときに感じる「味」や「深み」は、まさにこの“迷いのノイズ”と“熱量の痕跡”から生まれています🔥

AIは「めんどくさい」という感情がありません。
そして、大量のデータから“無難な答え”を学ぶ仕組みのため、どうしても平均点の優等生っぽくなりやすい。

「めんどくさい」とつぶやきながら、それでも手を動かし続ける。
その矛盾したエネルギーこそが、人間らしさそのものなのかもしれません。

「良いめんどくさい」と「悪いめんどくさい」🔍

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ここで誤解してほしくないのは、
「だからAI使うのをやめよう!」
と言いたいわけではまったくありません。

明日になれば、私はまたChatGPTに「返信文考えて」と頼んでいます(笑)。

大事なのは、「良いめんどくさい」と「悪いめんどくさい」を仕分けることです。

悪いめんどくさい(できればAIに任せたい)💤

・結果がほぼ変わらない単純作業
・思考停止でこなすだけの事務処理
・検索すれば一瞬で分かる定型情報
・形だけ整えるための儀礼的なやりとり

とはいえ、新しい分野を学ぶときは、自分の手で調べる「めんどくささ」も大事です。
全部が全部、AIに丸投げすればOKという話でもありません。

「今、この作業に時間を使う意味はある?」
と一度問い直すだけで、仕分けの精度はぐっと高まります。

良いめんどくさい(人間の出番!)🔥

・相手の心を動かすための言葉選び
・正解のないテーマで悩みながら考える
・人と向き合って行う対話や交渉
・自分の感情や経験を作品に落とし込む
・「そこまでやるの?」と驚かれるようなこだわり

この記事を書くプロセスも、まさにそうです。
構成案や誤字チェックはAIが得意。でも、「どう書けば読者の心に刺さるか」と悩み続ける部分は、人間の役目です。

もしここをAIに丸投げしたら、きっとどこか物足りない記事になっていたと思います。

宮崎駿さんが手放さなかったのも、この「一番めんどくさいけど、一番面白いところ」だったのでしょう。

エピローグ:人間の特権って、実は「めんどくささ」なのかもしれない🌱

AIはこれからも進化し続けます。
今「人間にしかできない」と思っている場所にも、どんどん入り込んでくるでしょう。

でも最後に残る価値は、おそらく、

「あえて、めんどくさいことを自分で選んだ」

という事実そのものです。

分かりやすいのが、将棋です。

計算力や勝率でいえば、最新の将棋AIは、トップ棋士を上回っていると言われています。
でも私たちは、AIの対局より藤井聡太さんの長考を見たいのです👀

髪をくしゃくしゃにしながら、必死に一手をひねり出す姿。
その“悩んだ時間”にこそ、ドラマがあります。

AIが1秒で出した最善手より、
人間が1時間悩んで指した一手のほうに、
私たちは圧倒的な「物語」を感じます。

結果だけを見るならAIで十分な場面も増えるでしょう。
でも、“どんなプロセスでそこに至ったか”は、まだまだ人間のほうが豊かです。

手書きの手紙がうれしいのは、
そこに「手間」と「気持ち」が込められていると分かるから💌

手作りの料理が特別なのは、
レトルトより「時間」がかかっていると想像できるから🍳

だからもし、あなたが仕事や創作の途中で、

「あぁ、めんどくせぇなぁ…」

とつぶやいたとしても、それは悪いことではありません。

むしろ一度、こう問いかけてみてください。

「これは、自分がやる意味のあるめんどくささだろうか?」

そして、そうだと思えた瞬間には、ほんの少し笑ってみてください😌

「お、今まさに、自分はAIには簡単に代われない、人間らしい仕事してるな」

効率化の先にあるのは、完全自動の天国ではありません。
効率化とは、本来どうでもいいことをサッと片づけて、
「本当に大事なめんどくさいこと」に、しっかり時間を使うための道具です。

さあ、AIに頼れるところは頼りつつ、
私たちにしかできない「めんどくさい仕事」を、ゆっくり、じっくり楽しんでいきませんか。

「あぁ、めんどくせぇ」と言いながら😉

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