【展示会レポ2日目】名古屋 次世代3Dプリンタ展2026 注目ブース後編|金属AM 4方式・Markforged FX10・PolyJet+2026トレンド総括

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> 名古屋で開催中の「次世代3Dプリンタ展2026」を2日目レポート。日本3DプリンターのRaise3D Pro3 HS Plus・Markforged FX10、愛知産業の金属AM 4方式、丸紅のPolyJet、Artec 3Dスキャナーから2026年トレンド総括まで一気に深掘りします。

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まー3DBOX
3Dプリンタ、3Dモデルなど

今、名古屋で開催中の次世代3Dプリンタ展。産業用FDMの最上位機、金属AMの4方式、そして多色多素材を一度に造形するPolyJet。今日はそのすべてを一気にお届けします。

こんにちは、まーです!

今日は2026年4月9日。名古屋のポートメッセなごやで開催中の「次世代3Dプリンタ展2026」は今日が開催2日目です。昨日の第1回ではイベント全体像とAPPLE TREEさん、システムクリエイトさん前半をお届けしました。

今日はその続きで、「日本3Dプリンター」さんの注目機3台、「愛知産業」さんの金属AM 4方式、リコージャパンさん、マツボーさん、丸紅情報システムズさんのStratasys、Artec 3Dさんのスキャナー、そして最後に2026年の3Dプリンタートレンド総括までを一気に走ります。今日会場に行ける方は、残り2日間の見どころマップとしても使ってください。

今日の3つのパート

今日は大きく3パートです。

①日本3Dプリンターさんのブース。Raise3D、Markforged、SHINING3Dの3台を紹介。

②愛知産業さんの金属AM 4方式とその他産業用ブース。

③2026年の業界トレンド総括。

テンポ良くいきますよ。

パート① 日本3Dプリンターさん ─ 2ブース展開

まず「日本3Dプリンター」さん。Raise3Dの国内総代理店で、今回はなんと2ブース展開なんですよ。第1展示館の「14-6」と、第3展示館の「26-45」の2か所に出展しています。

FFF、SLS、コンポジット、スキャナーまで幅広くラインナップされていて、今回の展示会の中でも最大クラスの広範さです。1社で2ブース取るって、普通に考えて相当な規模感ですよね。

Raise3D Pro3 HS Plus ─ 安定して回し続ける業務機

目玉1台目が「Raise3D Pro3 HS Plus」。Raise3DのFFF方式フラッグシップ機で、高安定性と高速造形を両立した業務機です。

Raise3Dは日本の造形現場で広く使われているブランドで、品質の安定感とメンテナンス性で評価が高いメーカーなんですよ。BambuLab系の高速機が話題を独占しがちな昨今ですけど、Raise3Dのような「安定して回し続ける業務機」がどこまで進化しているのかを確認するのに最適な1台だと思います。

A1 miniで毎日プリントしている僕たちから見ると、「業務機って何が違うんだろう」という疑問の答えが詰まっている機械なんですよね。

Markforged FX10 ─ 連続繊維強化という別世界

2台目が「Markforged FX10」。次世代産業用コンポジット3Dプリンターと位置付けられるモデルで、特徴は「連続繊維強化」です。

造形中にカーボンファイバーやケブラー繊維といった長い繊維を樹脂の中に埋め込んで、金属並みの強度を出す仕組みなんですよ。

ここ大事なポイントです。A1 miniでもカーボン配合フィラメントは使えますけど、あれは「短く切った繊維を混ぜた」強化プラスチック。Markforgedは「長い繊維を連続で通す」世界なので、強度の次元が違うんですよ。

短繊維と連続繊維の違いって、車の例えで言うと「ガラス繊維入り樹脂バンパー」と「カーボンモノコック」くらい違います。同じ「繊維強化」という言葉でも、物理的にやっていることが別物なんです。

EinScan Rigil Pro ─ PC不要の完全ワイヤレススキャナー

3台目は「SHINING3D EinScan Rigil Pro」。PC不要・完全ワイヤレスの一体型3Dスキャナーで、本体だけで完結するのが強みです。

これ何が嬉しいかというと、現場に持ち運んでその場でスキャンできること。壊れた部品をスキャンしてA1 miniで修理プリント、みたいな使い方が現実的になります。スキャン→修正→プリントの一連の流れを、PCを別途用意しなくてもこの1台で完結できる時代に近づいているんですよね。

周辺ブース ─ リコー・マツボー・丸紅情報システムズ

ここで周辺ブースもまとめて触れておきます。

①「リコージャパン」さんは金属AMの採算性事例と廃プラスチック再生アップサイクルを展示。

②「マツボー」さんはMarkforged FX10、Raise3D、Farsoon、SHINING3Dを取り扱う代理店ブース。複数ブランドをまとめて見られる便利な場所です。

③「丸紅情報システムズ」さんはStratasysのPolyJetが目玉。これがまた別格なんですよ。

PolyJetって何がすごいのか

PolyJetは「インクジェット方式の光造形」と言うとわかりやすいかもしれません。

ノズルから液体フォトポリマーを噴射しながらUVで固めていくんですけど、複数のヘッドで違う色、違う硬さ、違う透明度の材料を同時に噴射できるんですよ。

つまり、軟らかい部分と硬い部分、透明な部分と不透明な部分を、1回の造形で同時に作れるということ。

①医療モデル(血管が透明、骨が硬い、皮膚が柔らかい等の臓器シミュレーター)

②プロトタイプ(外観部品と内部機構を一度に)

③メカ付き試作品(ヒンジや可動部分を組み立てなしで)

こういう用途で圧倒的に強い方式です。産業用FDMとコンシューマーFDMの違いを体感するのに最適なブースだと思います。

パート② 愛知産業さん ─ 金属AMのデパート

ここからは「愛知産業」さんの金属AMブース。ここは今回の展示会の中でも「金属AMのデパート」と呼んでいいくらい、金属3Dプリンティングの複数方式を比較できる可能性が高いブースなんですよ。

SLM、WAAM、EBAM、LMDといった金属AMの各方式や造形サンプルが紹介される見込みです。これだけの幅を1ブースでまとめて見られる機会は、日本では本当に貴重です。

① SLM(セレクティブ・レーザー・メルティング)

1つ目がSLM。金属の粉を薄く敷いて、レーザーで選択的に溶かしながら1層ずつ積み上げる方式です。

扱える金属はチタン、ステンレス、インコネル、アルミなど。航空宇宙や医療インプラントで既に実用化されていて、金属AMの中で最もポピュラーな方式です。

僕たちが普段やっている光造形の金属版、というイメージでだいたい合ってます。粉ベッドにレーザー、というシンプルさと精度の高さが強みなんですよね。

② WAAM(ワイヤーアーク・アディティブ・マニュファクチャリング)

2つ目がWAAM。溶接ワイヤーとアークをそのまま3Dプリントの積層に応用した方式です。

これがおもしろいんですよ。要は溶接機を3D空間で動かして大型構造物を盛っていくイメージ。数メートル級の大型構造物を作るのに向いていて、船舶の部品とか、建築の梁みたいなスケールが現実的にできるんです。

精度は粉末方式に比べると粗いんですけど、その分「大きいものを安く速く」という方向で振り切った方式ですね。

③ EBAM(エレクトロン・ビーム方式)

3つ目がEBAM。電子ビームを熱源に、真空チャンバーの中でチタンなどの活性金属を酸化させずに造形します。

レーザーより投入エネルギーが大きく速度も速いんですけど、真空装置が必要なので機械そのものの規模は大きくなるんですよね。チタンって空気中の酸素ですぐ酸化しちゃうので、真空中で扱う必要があるという物理的な制約があるんです。

航空宇宙のチタン部品を本気で作るならEBAM、という棲み分けです。

④ LMD(レーザーメタルデポジション)

4つ目がLMD。粉末を吹き付けながらレーザーで溶かして盛る方式で、粉末ベッドを敷かないのが特徴です。

これの何がすごいって、既存の金属部品の補修や機能付加に強いんですよ。摩耗したタービンブレードの修理に使われていたりして、「ゼロから作る」だけじゃなく「直す・足す」という3Dプリンティングの新しい使い道を開いている方式です。

4方式まとめと他の注目ブース

金属AMを見て「自分には関係ない」と思いますか、それとも「1回実物を見てみたい」と思いますか?コメント欄でぜひ教えてください。

4方式を一言でまとめると、SLMは精度重視の粉末方式、WAAMは大型造形向けの溶接応用、EBAMは活性金属の大型造形、LMDは補修・機能付加向け、というイメージです。

さらに会場では「Artec 3D」さん(代理店データデザイン、ブース15-103)が3Dスキャナーのフルラインナップと新製品「Artec Jet」のLiDARマッピングデモを展示。日本溶接協会のAMディビジョンも業界団体ブースとして金属AM関連の技術セミナーを行っています。

パート③ 2026年トレンド総括

ここからは展示会全体を俯瞰して見えてきた、2026年の3Dプリンター業界トレンドを5つお話しします。

トレンド① マルチカラー/マルチマテリアルの民主化

1つ目が「マルチカラー/マルチマテリアルの民主化」。BambuLabのAMSが切り開いたマルチカラー体験に対して、競合各社がどんどん追従しているんですよ。

代表が「Creality CFS」、K2シリーズ向けの4スプール自動切替で、最大4台連結で16色まで対応。RFIDタグ付きで素材の自動認識までやってくれます。

一部レビューでは「BambuLab AMSの約50%コストで80%機能」と紹介されることもあるほどで、価格対機能のバランスが非常に強い製品なんですよね。「マルチカラーはBambuLabだけのもの」だった時代は完全に終わったということです。

トレンド② AIカメラ・AI監視機能の標準化

2つ目が「AIカメラ・AI監視機能の標準化」。Creality K2シリーズはチャンバー内AIカメラでスパゲティエラー検知、ノズル近くのAIカメラで流量自動調整まで入っているんですよ。

BambuLab X1-Carbonの先行機能が業界全体で標準化しつつあるという流れです。これからは「AIカメラがついていない機械はちょっと古い」と言われる時代が来るかもしれません。

トレンド③ 高速プリントの標準化

3つ目が「高速プリントの標準化」。K2 Plusは最大600mm/sを謳っていて、CoreXY方式の高速機が各社から次々投入されています。

少し前まで「BambuLabの独壇場」だった高速プリントが業界標準になりつつあって、A1 miniの500mm/s仕様も「特別な速さ」じゃなくなってきている感覚なんですよね。これ、ユーザーとしてはありがたい話です。

トレンド④ 新素材の進化

4つ目が「新素材の進化」。PETG-CF、カーボンファイバー配合PETGがBambuLabや3DXTECHから市販されていて、ハードスチールノズル推奨という条件付きでコンシューマー機でも使えるようになってきました。

さらに住友ゴム工業さんが高復元性の3Dプリント可能なゴム材料を2026年事業化目指して開発中という話もあって、「3Dプリンターで使える材料の幅」がどんどん広がっているんですよ。

トレンド⑤ スライサーソフトの進化

5つ目が「スライサーソフトの進化」。OrcaSlicerはBambu Studioからの派生で、多メーカー対応のオープンソース。キャリブレーション機能が充実していて、BambuLabユーザーにも人気です。

機械の性能を引き出すのはスライサー次第、という時代がますます明確になってきていると感じます。

会場に行く方への動線アドバイス(半日コース)

ここまで聴いて会場に行きたくなった方のために、残り2日間の動線を1つ提案します。優先度順にいくとこんな感じです。

①まずAPPLE TREEさんでBambuLabの最新ラインナップ

②次にシステムクリエイトさんの「12-6」でペレットとシリコンと光造形を一気に体験

③日本3Dプリンターさんの「14-6」でRaise3DとFX10

④愛知産業さんで金属AMを比較

⑤余裕があれば丸紅情報システムズさんのStratasys PolyJetとArtec 3Dブースの「15-103」

これで半日コースです。1日たっぷり使うなら、ここに各セミナーや業界団体ブースを足していけば充実します。

行けない方へ ─ 次のチャンスはすぐ来ます

明日の金曜で今回の名古屋展は終わりますけど、行けなかったとしても全然悔しがる必要はありません。

次回以降のシリーズで、「じゃあ次にどの展示会を狙えばいいのか」「展示会に行くときに何を見て何を質問すればいいのか」というノウハウを2回かけてお届けします。

皆さんは「次に行くならどの都市の展示会ですか?」コメント欄でぜひ教えてください。

まとめ

今日は名古屋展の開催2日目に合わせて、日本3Dプリンターさん、愛知産業さん、その他産業用ブース、2026トレンド総括をお届けしました。

会場に行ける方は、ぜひ明日までの残り1日を大事に使ってください。行けない方は次回以降の「展示会シリーズ」で、行かなくても得られる価値を最大化する方法を一緒に考えていきましょう。

次回は展示会最終日の金曜。「今日で終わる名古屋展、次に狙うべき展示会はどれか」という未来志向の回です。

このチャンネルでは、Bambu LabのA1 miniなどの3Dプリンターを中心とした技術などを毎日更新でお伝えしてます、ではまた次回、お会いしましょう、まーでした。

今回紹介した製品

  • Bambu Lab A1 mini ─ 僕たちの主戦場。展示会の比較対象として最適
  • Bambu Lab X1-Carbon ─ AIカメラ搭載の元祖。トレンド②の起点
  • Raise3D Pro3 HS Plus ─ 日本3Dプリンター取扱い・産業用FFFフラッグシップ
  • Markforged FX10 ─ 連続繊維強化のコンポジット機
  • SHINING3D EinScan Rigil Pro ─ PC不要ワイヤレス3Dスキャナー
  • Stratasys PolyJet ─ 丸紅情報システムズ取扱い・多色多素材インクジェット光造形
  • Artec 3D / Artec Jet ─ データデザイン取扱い・LiDARマッピング新製品
  • Creality K2 Plus ─ 600mm/s高速&AIカメラ搭載のBambuLab対抗機
  • Creality CFS ─ K2向け4スプール自動切替(最大16色)
  • PETG-CF カーボンファイバー配合フィラメント ─ コンシューマー機でも使える新素材

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3D BOX | Bambu Lab A1 mini 攻略ガイドとAI仕事術 | 現役工場長が教える、3Dプリンター活用術とAIによる爆速仕事術

👇 Note(テキストでじっくり読みたい方)

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画像挿入マップ(編集用メモ)

| 画像ファイル | 挿入位置 | 内容 |

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| scene/001.png | H1直後 | フック ─ 産業FDM・金属AM・PolyJet |

| scene/002.png | こんにちは直後 | オープニング ─ 4月9日・開催2日目 |

| scene/003.png | H2「今日の3つのパート」直後 | 3パートのロードマップ |

| scene/004.png | H2「日本3Dプリンター」直後 | 2ブース展開(14-6/26-45) |

| scene/005.png | H3「Raise3D Pro3 HS Plus」直後 | 産業用FFFフラッグシップ |

| scene/006.png | H3「Markforged FX10」直後 | 連続繊維強化の仕組み |

| scene/007.png | H3「EinScan Rigil Pro」直後 | ワイヤレス3Dスキャナー |

| scene/008.png | H3「周辺ブース」+H2「PolyJet」 | 代理店群とPolyJetの仕組み |

| scene/009.png | H2「愛知産業」直後 | 金属AMのデパート |

| scene/010.png | H3「SLM」「WAAM」 | SLM/WAAM対比 |

| scene/011.png | H3「EBAM」「LMD」 | EBAM/LMD対比 |

| scene/012.png | H3「4方式まとめ」直後 | 4方式マトリクス+Artec |

| scene/013.png | H3「マルチカラー民主化」直後 | Creality CFS |

| scene/014.png | H3「AIカメラ」「高速化」 | AIカメラ+600mm/s |

| scene/015.png | H3「新素材」「スライサー」 | PETG-CF+OrcaSlicer |

| scene/016.png | H2「動線アドバイス」直後 | 半日コースマップ |

| scene/017.png | H2「行けない方へ」直後 | 次のチャンス |

| scene/018.png | H2「まとめ」直後 | エンディング |

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