2026年4月15日、Bambu LabがX2Dを発表・即日販売開始しました。価格は¥126,000。旗艦ラインの入れ替えです。X1シリーズは2026年3月31日にEOL(販売終了)が確定しており、この「X2D」がその後継になります。
この記事では「A1 miniやP1Sを使っている僕たちは買い替えるべきか」という1点に絞って、発表当日の情報を全部整理します。

X2Dとは何か ─ 型番の意味から整理する

Bambu LabのラインナップはA系・P系・X系の3レンジで構成されています。A1 miniとA1がエントリー、P1SとP2Sがミドルレンジ、H2DとX系がハイエンドです。
その「X系」、つまりBambuの「旗艦ライン」にあたるのがX2Dです。前世代のX1CはEOLになり、第2世代フラグシップとして今回のX2Dが登場しました。公式ブログでも “second generation of Bambu Lab’s flagship X Series” と説明されています。
X1はAMSを外付けで組み合わせる構成でしたが、X2DはAMS 2 Proとの統合設計になっており、上位のCombo版にはAMS 2 Proが最初から同梱されています。
価格とラインナップ ─ X2DとX2D Comboの違い

2つのモデルがあります。
「X2D」が¥126,000。65℃の加熱チャンバーとデュアルノズルシステムを標準搭載した基本構成です。「X2D Combo」が¥165,000。X2DにAMS 2 Proが同梱されています。
旧旗艦のX1C Comboは実勢価格が25〜28万円前後でした。同じ「旗艦ライン」の後継機なのに約半額になっているのが、今回の最大のインパクトだと思います。
「X2DとX2D Comboどっちを選ぶか」は、シンプルに「AMS 2 Proを最初から同梱で欲しいかどうか」で判断するのが分かりやすいです。後からAMS 2 Proを追加することも可能なので、まずX2D単体から入るという選択肢もあります。
主要スペック ─ デュアルノズル・高温域・速度
デュアルノズルの意味

X2Dの最大の特徴はデュアルノズルです。1台に2本のノズルを搭載し、2色・2素材を同時に扱えます。
「AMSがあれば多色できるのでは?」という疑問があると思います。AMSはフィラメントを自動切り替えできますが、切り替え時にパージ(フラッシュ)が必要で廃材が出ます。デュアルノズルはその問題を別のアプローチで解決します。
特に注目される使い方が「溶けるサポート材との組み合わせ」です。HIPS・PVAなどの溶解フィラメントをサポート専用ノズルに割り当てることで、複雑形状のサポート除去が劇的に楽になります。内部サポートが抜けない造形で悩んでいた方には、一番刺さる機能だと思います。
対応フィラメントと高温域

ホットエンドの最高温度は300℃、本体には65℃の加熱チャンバーを内蔵しています。これにより対応できる素材が大きく広がります。
①PLA・PETG・TPU ─ 全ラインナップで対応済み。②ABS・ASA ─ 65℃加熱チャンバーで反りを抑えて安定印刷。③PA(ナイロン)・PA-CF ─ X2Dから本格対応。④PC・PC-CF ─ 280〜310℃対応の高温ホットエンドで安定して印刷できます。
カーボン繊維入りフィラメントはノズルが摩耗しやすい素材です。X2Dは標準で硬化鋼ノズルを採用していますが、長期使用での消耗はA1 miniよりも早くなることを見越した運用計画が必要です。
印刷速度について

公称値の最大印刷速度は1000mm/s(公式発表値)、加速度は20,000mm/s²です。ただ、これは公称の最高値です。A1 miniでも公称500mm/sありますが、実用域は150〜300mm/sが大半という感覚に近い。X2Dも同じで「速度よりも高品質を維持しながら速く動ける領域が広い」という理解の方が実態に近いと思います。
H2DとX2D ─ 上位機との比較

「H2DとX2D、どっちを選ぶか」という疑問が出ると思うので整理します。
H2Dは2025年3月に発表された上位機で、日本公式ストアでは約¥299,800〜¥345,800の価格帯です。
H2Dが優れている点は、①ビルドサイズが大きい(最大350×320×325mm)こと、②クローズドチャンバーで高温フィラメントの安定性が高いことです。大型造形や業務用モデル、大物プリントが多い方はH2Dの方が合います。
X2Dが優れている点は、①価格が約17〜22万円安いこと、②デュアルノズル統合で多素材印刷のセットアップが簡単なこと、③コンパクトな設計でデスク置きしやすいことです。
最終的には「造形サイズの要件」が選択の最大の分岐点になります。
P1S・A1miniからの買い替え判断

ここが今日のメインです。
P1S(¥99,000)からX2D(¥126,000)は約¥27,000の追加投資。A1 mini(¥29,800)からなら約¥96,200になります。
判断の分岐点は2つだと思っています。
①「デュアルノズル機能を使う具体的なユースケースがあるか」、②「PETG-CF・ナイロン・PCなどの高温フィラメントを常用する予定があるか」です。
P1Sユーザーで、今まで通りPLAとPETGを中心に使っていて特に不満がない方は、正直買い替える理由が今の時点では薄いと思います。P1Sで解決できないことが具体的に出てきてから考えれば十分です。
こういう人は買い替えていい
① カーボン系フィラメントを常用している

PETG-CF・PA-CF・PC-CFを主力素材にしている方。今のP1SやA1 miniで温度制御に苦労している方は、X2Dが真正面から対応しています。
② 実用品・機能部品を量産している

ジグ、治具、産業部品などを繰り返し量産している方。デュアルノズルで溶けるサポート材を使えるようになると、後処理工数が大幅に変わります。
A1 miniで月に100〜200時間以上プリントしているような方も、稼働率・安定性の面でX2Dへのステップアップを検討する時期かもしれません。
こういう人は今の機種で十分

明確に言います。こういう方は今すぐ買い替える必要はありません。
①「PLAとTPUだけ使っている」。A1 miniが最もコスパが高い。X2Dの高温域対応は過剰スペックです。②「趣味で小物を印刷している」。体感できる差が価格差に見合うか疑問です。③「月に数回しか使わない」。稼働率が低ければ投資回収に何年もかかります。④「P1Sで最近何も困っていない」。P1Sは現時点でも非常に完成度が高い機種です。
「すごい機種が出た」は事実ですが、「今の自分の困りごとを解決するか」が判断基準の全てだと思っています。
注意点 ─ 発売当日情報の読み方

2026年4月15日に発表・即日発売された製品です。公式スペックシートと発表資料をもとに整理していますが、「実際に手元で動かした人間がいない」状態での情報です。
発売直後の1〜2ヶ月は初期ロットの知見が各所で蓄積されるタイミングです。「明日すぐ注文する」前に、①公式フォーラムや海外ユーザーの初期レポートを2週間待つ、②日本での実機レビューが出てから判断する、というのが現実的なアドバイスです。
X2Dと一緒に揃えたい周辺機器

X2Dを買う前提で、同時に用意しておくといいものを整理します。
①フィラメントドライヤー。PA-CFやPC-CFを本格的に使うなら乾燥管理は必須です。②PA-CF・PC-CFフィラメント。PolymakerのPolyMide PA12-CFあたりが入手しやすく品質も安定しています。③予備の硬化鋼ノズル。カーボン系は摩耗が早いので0.4mmと0.6mmを予備で持っておくのを推奨します。④溶けるサポート材(HIPS・PVA系)。デュアルノズルの恩恵を最大化するなら購入直後から揃えておくと活用の幅が一気に広がります。
まとめ ─ 3タイプ別の結論

今日の話を3行でまとめます。
「今すぐ買い替えあり」── PA-CF・PC-CF等を常用している、溶けるサポート材でのマルチマテリアル印刷をやりたい、実用品量産でA1 miniの稼働限界を感じている方。
「様子見」── 購入意欲はあるけど初期ロット報告や日本語レビューが出てから決めたい方。1ヶ月待てば実機情報が集まります。
「今の機種で十分」── PLA・TPU・PETGが主な用途で今の印刷結果に満足している方。無理に変える必要はありません。
今回紹介した製品
- Bambu Lab A1 mini
- Bambu Lab P2S(P1S後継)
- Bambu Lab H2D(Bambu Lab公式ストアで購入可能)
- SUNLU FilaDryer S2 フィラメントドライヤー
- Polymaker PolyMide PA12-CF 500g(Polymaker公式サイトで購入可能)
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| 1 | scene/slide_01.png | リード文直後 | X2D発表の衝撃シーン |
| 2 | scene/slide_03.png | H2「X2Dとは」直後 | 製品ラインナップ階層図 |
| 3 | scene/slide_04.png | H2「価格とラインナップ」直後 | 価格比較グラフィック |
| 4 | scene/slide_05.png | H3「デュアルノズル」直後 | デュアルノズル解説 |
| 5 | scene/slide_07.png | H3「対応フィラメント」直後 | フィラメント素材一覧 |
| 6 | scene/slide_06.png | H3「印刷速度」直後 | 速度ビジュアライゼーション |
| 7 | scene/slide_08.png | H2「H2DとX2D」直後 | H2D vs X2D 比較 |
| 8 | scene/slide_09.png | H2「P1S・A1miniから」直後 | 3機種価格比較 |
| 9 | scene/slide_10.png | H3「カーボン系フィラメント」直後 | カーボン系ユーザー向けシーン |
| 10 | scene/slide_11.png | H3「実用品量産」直後 | 量産派向けシーン |
| 11 | scene/slide_12.png | H2「今の機種で十分」直後 | A1 mini満足シーン |
| 12 | scene/slide_13.png | H2「注意点」直後 | 注意喚起シーン |
| 13 | scene/slide_14.png | H2「周辺機器」直後 | アクセサリ一覧フラットレイ |
| 14 | scene/slide_17.png | H2「まとめ」直後 | 3タイプ別結論カード |

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